初期研修病院の採用試験は、病院・採用年度によって内容が異なります。筆記試験や小論文がある場合も、名称だけでは出題範囲、制限時間、字数、解答方法までは分かりません。まず応募年度の募集要項と受験案内で確認できたことを整理し、その範囲に合わせて準備しましょう。
この記事では、募集要項の調べ方と、当サイトが作成した小論文の練習課題を紹介します。練習課題・時間配分・答案例は、実際の過去問や出題予想ではありません。特定の病院の採点基準や、合格を保証する対策を示すものでもありません。
公式に確認できた試験内容と、練習の提案を分ける
| 情報の種類 | この記事での扱い |
|---|---|
| 応募年度の病院公式資料に明記された内容 | その病院・年度について確認できた条件として記録する |
| 当サイトが提案する練習方法 | 課題の読み取り、構成、時間管理を練習する方法。病院共通の採点基準ではない |
| 当サイトが作成した課題・答案例 | オリジナルの練習用素材。過去問、再現問題、頻出テーマの一覧ではない |
例えば、2027年度採用の東京医療センターの募集要項には、適性検査の案内と二次選考の筆記試験・面接が記載されています。一方、川崎医科大学附属病院の募集要項には、書類審査・面接試験・YG性格検査・小論文が記載されています。これは各募集要項の例で、ほかの病院の試験内容を示すものではありません(2026年10月16日確認)。
募集要項を確認する5つの手順
- 病院公式サイトで「初期臨床研修医」の採用ページを開き、希望する採用年度・プログラムの募集要項を選ぶ
- 選考方法の記載を、そのままメモする。「筆記」としか書かれていなければ、医学・英語などの範囲を推測で加えない
- 試験時間、字数、解答形式、持ち物、事前受検の有無を確認する
- 応募後のメールや受験者向けページにも案内がないか確認する。分からない点は、問い合わせ方法の指定に従って担当窓口へ確認する
- 資料のURL、年度、確認日を残し、試験前に変更・追加案内を再確認する
| 確認欄 | 記録する内容 |
|---|---|
| 病院・プログラム・採用年度 | 募集要項の対象と、自分の応募先が一致しているか |
| 選考内容 | 筆記・小論文・面接・適性検査など、明記された名称 |
| 範囲・形式 | 公表されている範囲、選択式・記述式、紙・オンラインなど。未公表は未公表のまま記録 |
| 時間・字数 | 各試験の時間、字数の下限・上限、事前受検の期限 |
| 当日の条件 | 集合時刻、会場、受験票、筆記具、使用できる物・できない物 |
| 根拠と未確認点 | 資料名・URL・確認日、問い合わせたい点、回答内容 |
問い合わせるなら、「募集要項では筆記試験と拝見しました。公表可能な出題範囲と解答形式、試験時間の案内があれば教えていただけますでしょうか」と、公開可能な情報を尋ねます。詳細が非公表の場合は、その前提で準備します。前年度の情報や先輩の経験は、今年度の条件として扱わないでください。
小論文のオリジナル練習課題
以下は当サイトが作成した練習課題です。病院の過去問を転載・再現したものではありません。自分の意見と理由を、指定された条件の中で書く練習に使ってください。
初期研修医が、分からないことを上級医へ相談する際に大切だと考えることを一つ挙げ、その理由を述べなさい。さらに、実行するための具体的な行動と、その行動を取る際の留意点を示しなさい。
練習上の条件:400〜600字、40分。実体験の記載は必須としない。
400〜600字・40分は、この練習のための設定です。応募先で時間や字数が指定されていれば、その条件へ変更してください。相談を題材にしたのは、理由・行動・留意点を書き分ける練習のためで、出題頻度が高いと判断したためではありません。
最初に、設問が求める答えを分解する
この課題では、少なくとも次の4点に答えます。書き始める前に、設問中の「一つ」「理由」「具体的な行動」「留意点」に印をつけ、書く内容を短くメモします。
| 設問の要求 | 下書きで決めること |
|---|---|
| 大切なことを一つ挙げる | 何を中心の主張にするか |
| 理由を述べる | なぜそれが必要だと考えるか |
| 具体的な行動を示す | 誰に、何を、どのように伝えるか |
| 留意点を示す | その行動だけでは十分でない場面や、気をつけることは何か |
実際の試験が資料の要約、複数の立場の比較、賛否と根拠などを求めている場合は、この4点をそのまま当てはめず、その設問の指示から必要な要素を拾います。用意した志望理由を、どの課題にも同じように書くことは避けましょう。
40分の時間配分例と、構成メモ
| 時間 | 作業 |
|---|---|
| 0〜5分 | 設問・字数・解答上の指示を読み、求められる要素を分ける |
| 5〜10分 | 主張、理由、行動、留意点を一行ずつ書いて順序を決める |
| 10〜35分 | 構成メモに沿って本文を書く |
| 35〜40分 | 設問への答え、字数、誤字、読みにくい箇所を確認する |
これは調整して使う時間配分例です。読む資料が長い、手書きに時間がかかる、字数が多いなどの条件に応じて変えます。一度時間を測って書き、足りなかった工程に合わせて次回の配分を見直してください。
- 主張:分かっていることと、判断できないことを区別して早めに相談する
- 理由:不確かな点を抱え込まず、指導を受けながら判断するため
- 行動:確認した事実、分からない点、相談したい内容を簡潔に伝え、助言後の対応も確認する
- 留意点:整理を完璧にしようとして相談を遅らせない。緊急性があるときは助けを求めることを優先する
練習答案例と、読み直すポイント
以下も当サイトが作成した答案例です。実際の受験者の経験や特定病院の実務を表すものではなく、唯一の正解でもありません。設問で求めた4点がどこに書かれているかを確認してください。
私は、初期研修医が上級医へ相談する際には、分かっていることと判断できないことを区別し、早めに伝えることが大切だと考える。理解が曖昧なまま一人で判断しようとすると、必要な確認が遅れるおそれがあるためである。
具体的には、自分が確認した事実、まだ確認できていない点、相談したい内容を簡潔に整理して伝える。例えば、得られた情報から複数の考えが浮かんだ場合には、一つを確定したように話すのではなく、どの点で迷っているかを説明する。助言を受けた後は、理解した内容と次に行うことを確認し、対応後に必要な報告を行う。振り返る際には、指摘された点を復習し、同じ疑問を次の学習課題にする。
ただし、情報を完璧にそろえることを相談の条件にしてはならない。緊急性がある場合には、整理を終えるまで待たず、速やかに助けを求める必要がある。また、自分の知識や経験の限界を認識し、指導を受ける姿勢も欠かせない。私は、早い相談と、その後の確認や振り返りを組み合わせることが、安全に学びを積み重ねる行動につながると考える。
この例では、冒頭で主張と理由を示し、次の段落で行動、最後の段落で留意点を述べています。「相談は大切だ」と繰り返すだけでなく、何を伝えるのかと、情報整理に時間をかけすぎないという条件を補っています。実習経験を使う課題では、自分が実際に経験した範囲に置き換え、患者さんを特定できる情報を含めないでください。
書き終えたら、この順で見直す
- 設問に答えているか:求められた要素に抜けがなく、別の話題にすり替わっていないか
- 主張と理由がつながるか:「大切だから大切」という言い換えだけになっていないか
- 具体的な行動があるか:誰が何をするかが読み取れるか
- 留意点に意味があるか:自分の主張を実行するときの条件や限界を説明できているか
- 事実を作っていないか:数字、制度、実習経験、引用の内容を確認できるか
- 字数・表記を守っているか:指定範囲、受験番号などの記入欄、誤字、文体、判読しにくい字を確認したか
これは自主練習用の確認表です。実際の採点基準が公表されている場合は、その内容も確認します。友人に読んでもらうときは、意見が同じかどうかより、「設問のどこに答えているか」「理由が飛んでいる箇所はどこか」を尋ねると、修正箇所を具体化できます。
医学・英語などの筆記試験や適性検査は、確認済みの形式に合わせる
「筆記試験がある」という記載だけで、医学、英語、一般常識のすべてを課されるとは判断できません。次の表は、該当する形式が案内されている場合の準備案です。一般的な出題範囲や、出題頻度を示すものではありません。
| 公式案内で確認できた場合 | 準備の進め方 |
|---|---|
| 医学分野の範囲・形式が示されている | 指定範囲と既存の学習教材を照合し、理解が曖昧な部分を復習する。選択式・記述式など、示された形式で時間を測る |
| 英語の試験内容が示されている | 読解・要約・訳など、指示された作業を確認する。辞書などの使用条件も案内に従う |
| 適性検査の種類や受検方法が案内されている | 案内された説明・公式の例題があれば確認する。事前受検の締切や必要な端末・環境を確認する |
| 性格に関する質問への回答が求められている | 指示を読み、自分に当てはまる回答を選ぶ。理想的に見せるための人物像を作って回答しない |
| 試験名以外の詳細が非公表 | 確認できた名称と条件を記録し、未知の形式への準備は予想と分ける。特定分野だけで十分とは決めつけない |
医師国家試験の学習を復習に使うことはできますが、それだけで採用試験の範囲を満たすとは限りません。病院が公開している過去問や例題がある場合は、その利用条件に従って確認し、今年度も同じ出題になるとは考えないようにします。非公開問題の持ち出しや、転載が認められていない問題の共有を前提に準備しないでください。
面接・書類と共有できるのは、経験や考えの材料
学びたいことや実習で考えたことは、面接や志望理由にも使える材料です。ただし、小論文ではその場の設問に答えることが先です。経験の整理は自己分析の方法、志望理由への文章化は志望理由の書き方、声に出して説明する練習は友人との模擬面接の進め方を参考にしてください。
試験前は、募集要項と追加案内を開き直し、会場・集合時刻・持ち物・事前受検の完了を確認します。面接や書類を含めた確認には、マッチング本番前の最終チェックも使えます。まずは応募先の確認表を埋め、小論文が必要なら、この練習課題を一度時間を測って書いてみてください。
無料ワークシート
面接や志望理由の材料も整理したい方は、既存の無料ワークシートを利用できます。この記事の練習課題は、紙やメモアプリに書き出して取り組めます。
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筆記・小論文のほかに面接も予定されている方へ
筆記の知識や小論文の準備とは別に、志望理由や自分の経験を話す練習も進めましょう。人物面接の質問を整理した一覧を使えます。

