志望理由は、面接でかなり深掘りされやすい
初期研修マッチング面接では、志望理由を聞かれることが多いです。
「なぜ当院を志望しましたか?」
「他の病院ではなく、なぜ当院なのですか?」
「見学してどこが印象に残りましたか?」
「その志望理由は、あなたの将来像とどうつながりますか?」
このように、志望理由は一度答えて終わりではなく、そこから追加で質問されることがあります。
志望理由の基本的な作り方をまだ整理できていない人は、先に初期研修マッチングの志望理由の書き方|例文と考え方を解説を読んで、志望理由の型を確認しておくのがおすすめです。
この記事では、志望理由を深掘りされたときに慌てないための考え方と、よくある質問への答え方を解説します。
志望理由が深掘りされる理由
面接官が志望理由を深掘りするのは、学生を困らせたいからではありません。
主に見ているのは、次のような点です。
- 本当にその病院を理解しているか
- 病院見学で何を見てきたか
- 自分の言葉で話せているか
- 他の病院との違いを分かっているか
- 入職後にミスマッチがなさそうか
- 将来像や研修目標とつながっているか
志望理由が浅いと、面接官にはすぐに伝わります。
たとえば、
「救急が強いからです」
「症例数が多いからです」
「雰囲気が良かったからです」
という回答だけでは、他の受験生と似た内容になりやすいです。
もちろん、救急・症例数・雰囲気は大切です。
ただし、それだけでは「なぜその病院なのか」が伝わりません。
志望理由では、病院の特徴と自分の考えをつなげて話すことが大切です。
深掘り質問①:「なぜ当院なのですか?」
最もよくある深掘り質問が、
「なぜ当院なのですか?」
です。
この質問では、他の病院との違いを理解しているかが見られています。
NGになりやすいのは、どの病院にも言える回答です。
たとえば、
「救急を学びたいからです」
「幅広い症例を経験したいからです」
「研修医の雰囲気が良かったからです」
だけだと、他の病院でも成立してしまいます。
答えるときは、次の3つを入れると話しやすくなります。
- 自分が重視していること
- 見学で見た具体的な場面
- その病院で学びたい理由
たとえば、
「私は初期対応力を身につけたいと考えており、救急外来で研修医が主体的に初期対応に関わる環境を重視しています。見学時に、研修医の先生が問診・診察・鑑別の整理まで行い、その後に上級医から具体的なフィードバックを受けている場面が印象に残りました。自分もそのような環境で、考えながら診療する力を伸ばしたいと考え、貴院を志望しました。」
このように、見学で見た場面を入れると、志望理由に具体性が出ます。
病院見学で何を見ればよいか不安な人は、病院見学で見るべきポイント|医学生が確認すべき10項目と質問リストもあわせて確認しておきましょう。
深掘り質問②:「他の病院との違いは何ですか?」
志望理由を話したあとに、
「似たような病院は他にもありますが、当院との違いは何だと思いますか?」
と聞かれることがあります。
この質問で大切なのは、他院を悪く言わないことです。
「他の病院より優れているからです」
「他の病院は雰囲気が合わなかったからです」
のように言うと、やや危うい印象になります。
おすすめは、優劣ではなく、自分との相性として話すことです。
たとえば、
「どの病院にも魅力はありましたが、貴院では研修医が救急外来で初期対応に関わりつつ、上級医に相談しやすい距離感がある点が特に印象に残りました。私は、まず自分で考え、そのうえでフィードバックを受けながら成長したいと考えているため、その点が自分の研修の希望と合っていると感じました。」
このように答えると、他院を下げずに、その病院を選ぶ理由を伝えられます。
複数の病院を見学して比較するときは、病院見学後の比較方法|初期研修病院を選ぶチェックリストを使って、自分に合う点を整理しておくと答えやすくなります。
深掘り質問③:「見学で何が印象に残りましたか?」
志望理由とセットでよく聞かれるのが、病院見学の印象です。
この質問では、実際に見学して何を感じたかが見られています。
よくある弱い回答は、
「研修医の先生が優しかったです」
「雰囲気が良かったです」
「救急が活発だと感じました」
というものです。
悪い回答ではありませんが、これだけでは少し抽象的です。
答えるときは、
- どの場面を見たのか
- そこで何を感じたのか
- それが自分の志望理由とどうつながるのか
まで話すとよいです。
例文は次の通りです。
「救急外来で、研修医の先生が患者さんの初期評価を行ったあと、上級医と一緒に鑑別や方針を確認している場面が印象に残りました。研修医が主体的に関わりながらも、相談できる体制があると感じ、自分もそのような環境で初期対応力を伸ばしたいと思いました。」
病院見学の印象をどう答えるかは、マッチング面接で「病院見学の印象」を聞かれたときの答え方|例文と注意点を解説でも詳しく解説しています。
深掘り質問④:「将来の志望科とどうつながりますか?」
面接では、志望理由と将来像のつながりを聞かれることもあります。
たとえば、
「将来は何科を考えていますか?」
「その志望科と当院での研修はどう関係しますか?」
「志望科が未定なのに、なぜ当院なのですか?」
という質問です。
ここで大切なのは、志望科が決まっていても、未定でも、初期研修で身につけたい力を言語化することです。
たとえば、救急に関心がある場合は、
「将来的には救急や総合診療に関心がありますが、まずは初期研修で幅広い疾患を初期対応できる力を身につけたいと考えています。貴院では救急外来で研修医が主体的に診療に関わる機会があり、上級医の指導も受けながら経験を積める点に魅力を感じました。」
のように話せます。
志望科が未定の場合も、
「現時点では志望科はまだ決めきれていませんが、だからこそ初期研修では内科・救急・外科を含めて幅広く経験し、自分の適性を見極めたいと考えています。」
と答えれば問題ありません。
志望科未定の答え方に不安がある人は、志望科未定の場合、マッチング面接でどう答える?例文と注意点を解説も参考にしてください。
志望理由を深掘りされたときのNG回答
志望理由の深掘りで避けたいのは、次のような回答です。
- ホームページに書いてある内容だけを話す
- 「有名だから」「人気だから」で終わる
- 他の病院を下げる
- 見学したのに具体的な場面が出てこない
- 自分の将来像とつながっていない
- 暗記した文章をそのまま読むように話す
特に注意したいのは、きれいな言葉だけでまとめようとすることです。
面接官が聞きたいのは、完璧な文章ではありません。
その学生が何を見て、何を感じ、なぜその病院で研修したいと思ったのかです。
多少言葉がきれいでなくても、自分の経験に基づいた回答の方が伝わります。
志望理由を深掘りされても慌てない準備法
志望理由の深掘りに備えるには、想定質問ごとに回答を丸暗記するより、材料を整理しておく方が大切です。
おすすめは、次の4つをメモしておくことです。
- 自分が初期研修で重視したいこと
- その病院で印象に残った場面
- 他の病院と比べて合っていると感じた点
- 入職後にどう成長したいか
この4つが整理できていれば、質問の聞かれ方が少し変わっても答えやすくなります。
面接でよく聞かれる質問全体を確認したい人は、初期研修マッチング面接でよく聞かれる質問30選|答え方と準備方法を解説もあわせて読んでおくと、面接全体の準備がしやすくなります。
無料ワークシートで志望理由を整理する
志望理由を深掘りされても答えられるようにするには、頭の中だけで考えるより、一度書き出して整理するのがおすすめです。
研修医コンパスでは、マッチング対策に使える無料ワークシートを公開しています。
病院選びの軸、病院見学の振り返り、志望理由、面接回答を整理したい人は、以下のページから活用してください。
まとめ:志望理由は「病院の特徴」と「自分の軸」をつなげる
マッチング面接で志望理由を深掘りされたときは、焦って特別なことを言おうとしなくて大丈夫です。
大切なのは、
- 自分が初期研修で何を重視しているか
- 病院見学で何を見たか
- その病院のどこに魅力を感じたか
- 入職後にどう成長したいか
を、自分の言葉で話すことです。
志望理由は、病院を褒めるだけでは弱くなります。
「この病院の特徴」と「自分の研修目標」がつながっていることを伝えるのがポイントです。
見学メモや自己分析をもとに、自分だけの志望理由を準備しておきましょう。
