初期研修マッチングの準備で、多くの医学生が悩むのが志望理由です。
「志望理由が思いつかない」
「どの病院にも同じことを書いてしまう」
「救急が強い、症例数が多い、以外に何を書けばいいかわからない」
「病院見学には行ったけど、うまく言葉にできない」
このように悩む人は少なくありません。
結論から言うと、志望理由が思いつかないときは、病院の特徴だけを見て考えるのではなく、自己分析から始めるのがおすすめです。
志望理由は、病院の良いところを並べる文章ではありません。
大切なのは、自分が初期研修で何を学びたいのかと、その病院で学べることがつながっていることです。
この記事では、志望理由が思いつかない医学生向けに、自己分析から志望理由を作る方法、NG例、テンプレート、例文を解説します。
- この記事でわかること
- 結論:志望理由は「自分」と「病院」をつなげる文章
- 志望理由が思いつかない原因
- 原因① 病院の特徴だけを見ている
- 原因② 自己分析ができていない
- 原因③ 病院見学の印象をメモしていない
- 自己分析から志望理由を作る3ステップ
- ステップ① 初期研修で身につけたい力を考える
- ステップ② なぜそれを身につけたいのか考える
- ステップ③ その病院でなぜ学べるのかを考える
- 志望理由の基本テンプレート
- NG例と改善例
- NG例①:どの病院にも言える志望理由
- NG例②:病院を褒めるだけ
- NG例③:雰囲気が良かっただけで終わる
- 状況別の志望理由例文
- 救急を重視する場合
- 志望科未定の場合
- 教育体制を重視する場合
- 市中病院を志望する場合
- 大学病院を志望する場合
- 志望理由を作る前のチェックリスト
- 面接で話すときの注意点
- まとめ:志望理由は自己分析から作ると書きやすい
- あわせて読みたい
- 無料ワークシート
この記事でわかること
- 志望理由が思いつかない原因
- 志望理由を作るための自己分析
- 病院見学メモの使い方
- 志望理由の基本テンプレート
- NG例と改善例
- そのまま参考にできる例文
結論:志望理由は「自分」と「病院」をつなげる文章
志望理由で大切なのは、病院の特徴をただ褒めることではありません。
たとえば、
「貴院は救急が強く、幅広い症例を経験できるため志望しました。」
という文章はよくあります。
悪くはありません。
ただ、これだけだと他の病院にも使えてしまいます。
より良い志望理由にするには、
- 自分は初期研修で何を身につけたいのか
- なぜそれを身につけたいのか
- その病院ではなぜ学べるのか
- 病院見学で何を感じたのか
- 将来像とどうつながるのか
を入れる必要があります。
志望理由の基本的な考え方は、初期研修マッチングの志望理由の書き方|例文と考え方を解説でも詳しく解説しています。
志望理由が思いつかない原因
志望理由が思いつかない原因は、主に3つあります。
原因① 病院の特徴だけを見ている
病院のホームページを見ると、
- 救急が強い
- 症例数が多い
- 教育体制が整っている
- 指導医が多い
- 研修プログラムが充実している
といった情報が出てきます。
もちろん、これらは大切です。
しかし、病院の特徴だけを見て志望理由を作ると、どの病院にも言える文章になりやすいです。
大切なのは、その特徴が自分にとってなぜ魅力なのかを説明することです。
原因② 自己分析ができていない
志望理由が書けない人は、自分が初期研修で何を重視したいのかが整理できていないことがあります。
たとえば、
- 救急をしっかり経験したい
- 内科的な基礎力をつけたい
- 手技を経験したい
- 指導医に相談しやすい環境がいい
- 研修医同士の雰囲気を重視したい
- 将来の志望科につながる研修をしたい
など、重視する点は人によって違います。
自分の軸がないと、病院の特徴を見ても「何を理由にすればいいのか」がわかりにくくなります。
自己分析から整理したい方は、医学生の自己分析のやり方|マッチングで使える病院選びの軸を作る方法も参考にしてください。
原因③ 病院見学の印象をメモしていない
志望理由に説得力を出すうえで、病院見学の印象はとても重要です。
ただし、見学後にメモを残していないと、後から思い出せなくなります。
「雰囲気が良かった」
「研修医の先生が優しかった」
「救急がすごかった」
だけでは、志望理由に使いにくいです。
見学後は、
- 研修医の雰囲気
- 指導医との距離感
- 救急外来での研修医の役割
- 印象に残った会話
- 自分がその病院で働く姿を想像できたか
- 他院と違うと感じた点
をメモしておきましょう。
病院見学後の整理方法は、病院見学後の比較方法|初期研修病院を選ぶチェックリストで解説しています。
自己分析から志望理由を作る3ステップ
志望理由が思いつかないときは、以下の3ステップで考えましょう。
ステップ① 初期研修で身につけたい力を考える
まずは、自分が初期研修で何を身につけたいのかを考えます。
たとえば、
- 救急対応力
- common diseaseへの対応力
- 基本的な内科診療力
- 手技
- 患者さんとのコミュニケーション
- 多職種連携
- 自分で考えて相談する力
- 将来の志望科につながる経験
などです。
ここが決まると、病院のどの特徴に注目すればよいかが見えてきます。
ステップ② なぜそれを身につけたいのか考える
次に、なぜその力を身につけたいのかを考えます。
たとえば、
「救急対応力を身につけたい」
だけではまだ浅いです。
そこに、
「将来どの診療科に進んでも、まず患者さんの状態を評価し、必要な初期対応を行える力が必要だと感じたから」
のような理由があると、志望理由に深みが出ます。
志望科が未定でも問題ありません。
その場合は、
「将来の進路を考えるうえでも、まずは幅広い診療能力を身につけたい」
という形で考えることができます。
ステップ③ その病院でなぜ学べるのかを考える
最後に、その病院でなぜ学べるのかを考えます。
ここで病院の特徴や病院見学の印象を使います。
たとえば、
- 救急外来で研修医が初期対応に関われる
- common diseaseを多く経験できる
- 指導医に相談しやすい雰囲気がある
- 研修医同士で学び合う空気がある
- 病院見学で研修医が主体的に働いていた
- 自分が働く姿を想像できた
といった内容です。
この3つがつながると、志望理由はかなり作りやすくなります。
志望理由の基本テンプレート
志望理由は、以下の型で作るとまとまりやすいです。
私は初期研修で〇〇を身につけたいと考えています。
その理由は、〇〇だからです。
貴院では〇〇という環境があり、〇〇を経験できる点に魅力を感じました。
病院見学では、〇〇が特に印象に残っています。
貴院での研修を通じて、〇〇な医師に近づきたいと考え、志望しました。
このテンプレートのポイントは、
- 自分の目標
- その理由
- 病院の特徴
- 病院見学での印象
- 研修後の成長イメージ
が入っていることです。
NG例と改善例
NG例①:どの病院にも言える志望理由
貴院は救急が強く、幅広い症例を経験できるため志望しました。
この文章は悪くありませんが、どの病院にも使えてしまいます。
改善例
私は初期研修で、救急外来での初期対応を通じて基本的な臨床判断力を身につけたいと考えています。病院見学では、研修医の先生方が上級医の先生に相談しながらも主体的に診療に関わっている姿が印象的でした。貴院であれば、幅広い症例を経験しながら、判断力と相談する力を身につけられると感じ、志望しました。
NG例②:病院を褒めるだけ
貴院は教育体制が整っており、研修環境が良いと感じました。
これだけだと、自分とのつながりが弱いです。
改善例
私は、初期研修ではわからないことをそのままにせず、指導医の先生に相談しながら着実に学べる環境を重視しています。病院見学では、研修医の先生方が指導医の先生に相談しやすい雰囲気があり、学びを深めながら診療に関われる点に魅力を感じました。
NG例③:雰囲気が良かっただけで終わる
病院見学で雰囲気が良かったため志望しました。
雰囲気は大切ですが、具体性がないと弱くなります。
改善例
病院見学では、研修医の先生方が互いに相談しながら診療に取り組んでいる姿が印象的でした。また、指導医の先生方との距離も近く、質問しやすい雰囲気を感じました。自分もそのような環境で、周囲と協力しながら成長したいと考えています。
状況別の志望理由例文
救急を重視する場合
「私は初期研修で、救急外来での初期対応を通じて、患者さんの状態を素早く評価し、必要な対応を考える力を身につけたいと考えています。病院見学では、研修医の先生方が救急外来で主体的に診療に関わりながら、上級医の先生に適切に相談している姿が印象的でした。貴院であれば、幅広い症例を経験しながら、基本的な臨床判断力を伸ばせると感じ、志望しました。」
志望科未定の場合
「現時点では明確な志望科は決めきれていません。そのため初期研修では、幅広い診療科やcommon diseaseを経験しながら、自分の適性や興味を見つけたいと考えています。貴院では、救急から病棟管理まで幅広く経験できる点に魅力を感じました。病院見学でも、研修医の先生方がさまざまな症例に主体的に関わっている姿が印象的であり、貴院で研修したいと考えました。」
教育体制を重視する場合
「私は初期研修では、わからないことを相談しながら着実に学べる環境を重視しています。病院見学では、研修医の先生方と指導医の先生方の距離が近く、相談しやすい雰囲気が印象に残りました。貴院であれば、日々の診療の中で疑問を解決しながら、基本的な診療能力を身につけられると感じ、志望しました。」
市中病院を志望する場合
「私は初期研修で、common diseaseや救急対応を幅広く経験し、将来どの診療科に進んでも土台となる診療能力を身につけたいと考えています。貴院では、地域の中核病院として多様な患者さんを受け入れており、研修医が主体的に診療に関われる点に魅力を感じました。病院見学でも、研修医の先生方が実践的に学ばれている姿が印象的であり、貴院を志望しました。」
大学病院を志望する場合
「私は初期研修で、基本的な診療能力に加えて、専門性の高い診療にも触れながら将来の進路を考えたいと考えています。貴院では、多くの診療科で専門的な症例を経験できる点に魅力を感じました。また、病院見学では、教育体制が整っており、指導医の先生方に相談しながら学べる環境が印象的でした。貴院での研修を通じて、幅広い視点を持った医師に成長したいと考えています。」
志望理由を作る前のチェックリスト
志望理由を書く前に、以下を整理しましょう。
- 初期研修で何を身につけたいか
- なぜそれを身につけたいのか
- その病院のどこに魅力を感じたか
- 病院見学で印象に残ったこと
- 他院と違うと感じた点
- 自分の将来像とどうつながるか
- その病院で2年間働く姿を想像できるか
このチェックリストを埋めると、志望理由の材料がかなり整理できます。
面接で話すときの注意点
履歴書やエントリーシートに書く志望理由と、面接で話す志望理由は少し違います。
書類では、文章として整理された志望理由が必要です。
一方で、面接では丸暗記ではなく、自分の言葉で話せることが大切です。
面接で話すときは、
- 長くなりすぎない
- 病院見学で感じたことを入れる
- 自分の目標とつなげる
- ホームページの丸暗記にしない
- 質問されたら深掘りに答えられるようにする
ことを意識しましょう。
面接対策は、初期研修マッチング面接でよく聞かれる質問30選|答え方と準備方法を解説も参考にしてください。
まとめ:志望理由は自己分析から作ると書きやすい
志望理由が思いつかないときは、病院の特徴だけを見て考えようとしていることが多いです。
しかし、志望理由は病院の良いところを並べる文章ではありません。
大切なのは、自分が初期研修で何を学びたいのかと、その病院で学べることがつながっていることです。
まずは、
- 初期研修で身につけたい力
- その理由
- 病院の特徴
- 病院見学で感じたこと
- 将来像とのつながり
を整理しましょう。
この5つが整理できると、志望理由はかなり作りやすくなります。
志望理由が思いつかないときほど、いきなり文章を書こうとせず、自己分析と病院見学メモから材料を集めることが大切です。
あわせて読みたい
- 初期研修マッチングの志望理由の書き方|例文と考え方を解説
- 医学生の自己分析のやり方|マッチングで使える病院選びの軸を作る方法
- 病院見学後の比較方法|初期研修病院を選ぶチェックリスト
- 初期研修マッチング面接でよく聞かれる質問30選|答え方と準備方法を解説
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