「志望理由は何ですか?」
初期研修マッチングの面接で、ほぼ確実に聞かれる質問です。
履歴書やエントリーシートでも、志望理由を書く欄がある病院は多いです。
しかし、いざ書こうとすると、
「何を書けばいいかわからない」
「救急が強いから、だけでは弱い気がする」
「他の病院にも言えそうな内容になってしまう」
「面接で深掘りされたら答えられるか不安」
と悩む医学生は多いと思います。
志望理由で大切なのは、病院の特徴を並べることではありません。
大切なのは、自分の将来像や病院選びの軸と、その病院の特徴がどうつながっているかを説明することです。
この記事では、初期研修マッチングで使える志望理由の作り方を、落ちやすい例・評価されやすい例・そのまま使える例文まで含めて解説します。
- この記事でわかること
- 結論:良い志望理由は「自分」と「病院」がつながっている
- 志望理由で面接官が見ているポイント
- 落ちやすい志望理由①「救急が強いからです」
- 落ちやすい志望理由②「症例数が多いからです」
- 落ちやすい志望理由③ ホームページの丸暗記
- 落ちやすい志望理由④ どの病院にも言える内容
- 良い志望理由の作り方
- 志望理由は自己分析から始める
- 病院見学の内容を入れると志望理由は強くなる
- 履歴書と面接での志望理由の違い
- 例文① 救急を重視する場合
- 例文② 診療科が未定の場合
- 例文③ 手技を重視する場合
- 例文④ 教育体制を重視する場合
- 例文⑤ 地域医療を重視する場合
- 志望理由で使いやすい表現
- 志望理由を作るときのチェックリスト
- 志望理由が思いつかないときの考え方
- まとめ:志望理由は病院説明ではなく、自分との接点を書く
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この記事でわかること
- 良い志望理由の特徴
- 落ちやすい志望理由のパターン
- 志望理由を作る手順
- 病院見学を志望理由に入れる方法
- 履歴書と面接での志望理由の違い
- そのまま参考にできる例文
結論:良い志望理由は「自分」と「病院」がつながっている
良い志望理由とは、病院の特徴を説明することではありません。
**「なぜ自分にその病院が合うのか」**を説明することです。
たとえば、
「救急が強いからです」
「症例数が多いからです」
「教育体制が整っているからです」
という理由だけでは、少し弱いです。
なぜなら、それは病院の説明であって、あなた自身の話が入っていないからです。
面接官が知りたいのは、
「この学生は何を重視して病院を選んでいるのか」
「うちの病院のどこに魅力を感じたのか」
「入職後にどのように成長したいのか」
「本当にうちの病院に合いそうか」
という点です。
そのため、志望理由では、
- 自分が初期研修で重視していること
- 将来どんな医師になりたいか
- その病院のどこが自分に合っているか
- 病院見学で何を感じたか
- その病院でどう成長したいか
をつなげて話す必要があります。
マッチング本番前にやるべきこと全体を確認したい方は、こちらの記事も参考にしてください。
関連記事:初期研修マッチング本番前にやること|面接・志望理由・順位登録の最終チェック
志望理由で面接官が見ているポイント
志望理由では、単に「熱意があるか」だけを見ているわけではありません。
面接官は、主に以下の点を見ています。
| 見られるポイント | 内容 |
|---|---|
| 病院理解 | 病院の特徴を理解しているか |
| 自己理解 | 自分の希望や将来像を説明できるか |
| 一貫性 | 自己分析・病院選び・志望理由がつながっているか |
| 具体性 | 病院見学など具体的な経験があるか |
| 適性 | その病院の研修環境に合いそうか |
| 入職意欲 | 本当にその病院で研修したいと思っているか |
つまり、志望理由は「病院を褒める場」ではありません。
自分がどんな研修をしたいのか。
その病院で何を学びたいのか。
なぜその病院が自分に合っていると思うのか。
これを伝える場です。
落ちやすい志望理由①「救急が強いからです」
最も多い志望理由の一つが、
「救急が強いからです」
です。
もちろん、救急を重視すること自体は悪くありません。
初期研修で救急をしっかり経験したいという考えは自然です。
ただし、これだけだと弱いです。
なぜなら、救急に力を入れている病院は他にもたくさんあるからです。
面接官からすると、
「救急が強い病院は他にもあるけど、なぜうちなの?」
となります。
改善するなら
「救急が強いから」で終わらせず、
- なぜ救急を重視しているのか
- その病院の救急のどこに魅力を感じたのか
- 見学でどんな場面が印象に残ったのか
- 自分はそこでどう成長したいのか
まで入れましょう。
たとえば、
「私は初期研修で救急外来を通じて、幅広い疾患の初期対応力を身につけたいと考えています。貴院では研修医が救急外来で主体的に診療に関わる機会が多く、見学時にも研修医の先生方が指導医と相談しながら診療方針を考えている姿が印象的でした。貴院で多くの症例を経験し、どの診療科に進んでも必要となる初期対応力を身につけたいと考え、志望いたしました。」
このようにすると、病院の特徴と自分の希望がつながります。
落ちやすい志望理由②「症例数が多いからです」
「症例数が多いからです」もよくある志望理由です。
これも間違いではありません。
初期研修では、幅広い症例を経験することは大切です。
ただし、症例数が多い病院も他にあります。
そのため、症例数だけでは「その病院でなければならない理由」になりにくいです。
改善するなら
症例数に加えて、
- どんな症例を経験したいのか
- なぜ多くの症例を経験したいのか
- その経験を将来どう活かしたいのか
- その病院の指導体制や研修医の関わり方はどうか
まで考えましょう。
たとえば、
「幅広い症例を経験したい」という理由でも、
「将来の診療科がまだ決まっていないため、初期研修では内科・救急・外科を含めて幅広く経験し、自分の適性を見極めたい」
と書くと、自己分析とつながります。
落ちやすい志望理由③ ホームページの丸暗記
病院のホームページや研修プログラムを読むことは大切です。
しかし、そこに書いてある言葉をそのまま話すだけでは、志望理由として弱くなります。
たとえば、
「貴院の理念である○○に共感しました」
「地域に根ざした医療を実践されている点に魅力を感じました」
「教育体制が充実している点に惹かれました」
という内容だけだと、やや抽象的です。
もちろん理念に触れること自体は悪くありません。
ただし、それだけでは自分の言葉になりにくいです。
改善するなら
ホームページの情報に加えて、
- 自分の経験
- 病院見学で感じたこと
- 研修医や指導医と話して印象に残ったこと
- 自分の将来像とのつながり
を入れましょう。
病院説明ではなく、自分がなぜそこに魅力を感じたのかを話すことが大切です。
落ちやすい志望理由④ どの病院にも言える内容
志望理由でよくあるのが、どの病院にも使える内容になってしまうことです。
たとえば、
「貴院では幅広い症例を経験でき、教育体制も整っているため、初期研修に適した環境だと考えました」
という文章は、悪くはありません。
しかし、多くの病院に当てはまりそうです。
面接官からすると、
「この内容は他の病院にも言えるのでは?」
と感じる可能性があります。
改善するなら
病院ごとに、最低1つは具体的な要素を入れましょう。
- 見学で印象に残った場面
- 研修医の雰囲気
- 救急外来での研修医の役割
- カンファレンスの雰囲気
- 指導医との距離感
- 地域医療との関わり
- 自分の希望と合っている点
こうした具体例が入ると、その病院向けの志望理由になります。
良い志望理由の作り方
志望理由は、いきなり文章にしようとすると難しいです。
まずは以下の順番で整理しましょう。
- 将来像
- 初期研修で身につけたい力
- 病院選びで重視していること
- その病院の特徴
- 病院見学で感じたこと
- その病院でどう成長したいか
この流れで考えると、自然な志望理由になります。
志望理由の基本形
志望理由は、以下の形で作ると書きやすいです。
- 私は初期研修で○○を重視しています。
- 貴院では○○を経験できる点に魅力を感じました。
- 病院見学では○○が印象的でした。
- 貴院で○○を身につけ、○○な医師を目指したいと考えています。
この型に当てはめると、病院の特徴と自分の希望がつながりやすくなります。
志望理由は自己分析から始める
志望理由が思いつかない人は、病院の情報が足りないのではなく、自己分析が足りないことがあります。
志望理由は、病院分析だけでは作れません。
まずは自分が、
- 初期研修で何を重視したいのか
- どんな医師になりたいのか
- どんな環境なら頑張れるのか
- 逆にどんな環境は合わないのか
- 病院選びで譲れない条件は何か
を整理する必要があります。
自己分析ができていないと、病院の特徴を見ても、
「救急が強い」
「症例数が多い」
「教育体制が良い」
で止まってしまいます。
一方で、自己分析ができていると、
「自分は救急初期対応力を身につけたいから、この病院の救急外来で研修医が主体的に動ける環境に魅力を感じた」
というように、自分の言葉で説明しやすくなります。
関連記事:医学生の自己分析のやり方|マッチングで使える病院選びの軸を作る方法
病院見学の内容を入れると志望理由は強くなる
志望理由には、病院見学で感じたことを入れるのがおすすめです。
病院見学の内容が入ると、志望理由に具体性が出ます。
たとえば、
- 研修医が主体的に診療していた
- 指導医に相談しやすい雰囲気だった
- 救急外来で多職種が連携していた
- カンファレンスで教育的な指導があった
- 研修医同士の雰囲気が良かった
- 忙しい中でも楽しそうに働いていた
- 自分の質問に丁寧に答えてもらえた
こうした内容は、面接でも話しやすいです。
ただし、
「雰囲気が良かったです」
だけで終わると少し弱いです。
なぜ良いと感じたのか。
どの場面でそう感じたのか。
自分の研修観とどう合っているのか。
ここまで考えると、志望理由に使いやすくなります。
関連記事:病院見学で見るべきポイント|医学生が確認すべき質問リスト
履歴書と面接での志望理由の違い
志望理由は、履歴書と面接で少し使い方が違います。
履歴書の志望理由
履歴書では、限られた文字数の中で簡潔に書く必要があります。
そのため、
- 自分が重視していること
- 病院の特徴
- 見学で感じたこと
- その病院で学びたいこと
を短くまとめます。
長く書きすぎるより、読みやすく整理することが大切です。
面接の志望理由
面接では、履歴書に書いた内容を少し詳しく話します。
特に、
- なぜそう思ったのか
- 見学で具体的に何を見たのか
- その経験から何を感じたのか
- 入職後にどう成長したいのか
を話せるようにしておきましょう。
履歴書に書いた志望理由と、面接で話す内容が大きくズレると違和感が出ます。
履歴書は、面接で深掘りされる前提で書きましょう。
関連記事:初期研修マッチングの履歴書の書き方|志望理由・自己PR・提出前チェックを解説
※ここに内部リンクを入れる
例文① 救急を重視する場合
私は初期研修で、救急外来を通じた初期対応力を身につけたいと考えています。貴院では救急外来で幅広い症例を経験でき、研修医が主体的に診療に関わる機会が多い点に魅力を感じました。病院見学では、研修医の先生方が指導医の先生と相談しながら診療方針を考えている姿が印象的でした。貴院で多くの症例を経験し、将来どの診療科に進んでも必要となる初期対応力を身につけたいと考え、志望いたしました。
例文② 診療科が未定の場合
現時点では将来の診療科を明確には決めていません。そのため初期研修では、内科・救急・外科を含めて幅広い症例を経験し、自分の適性を見極めたいと考えています。貴院では各診療科の連携が取りやすく、幅広い疾患を経験できる点に魅力を感じました。病院見学では、研修医の先生方が複数の診療科で主体的に診療に参加されている姿が印象的でした。貴院で幅広い臨床経験を積み、今後の進路を考える土台を作りたいと考え、志望いたしました。
例文③ 手技を重視する場合
私は初期研修で、基本的な診療能力に加えて、手技も積極的に経験したいと考えています。貴院では研修医が救急外来や病棟で実践的に学ぶ機会が多く、指導医の先生方のサポートを受けながら手技を経験できる点に魅力を感じました。病院見学では、研修医の先生方が自ら考えて動きながらも、必要な場面ではすぐに相談できる環境があると感じました。貴院で主体的に学び、臨床現場で必要な力を身につけたいと考え、志望いたしました。
例文④ 教育体制を重視する場合
私は初期研修で、幅広い症例を経験しながら、基本的な診療の考え方を丁寧に身につけたいと考えています。貴院では指導医の先生方との距離が近く、研修医が相談しやすい環境が整っている点に魅力を感じました。見学時には、カンファレンスで研修医の考えを尊重しながら指導されている様子が印象的でした。貴院で一つひとつの症例から学び、基礎を大切にした医師を目指したいと考え、志望いたしました。
例文⑤ 地域医療を重視する場合
私は初期研修を通じて、地域の中で幅広い患者さんに対応できる力を身につけたいと考えています。貴院は地域の中核病院として、急性期から慢性期まで幅広い患者さんを診療しており、地域医療の実際を学べる点に魅力を感じました。病院見学では、各診療科や多職種が連携しながら患者さんを支えている様子が印象的でした。貴院で地域に根ざした医療を学び、将来どの地域でも必要とされる医師を目指したいと考え、志望いたしました。
志望理由で使いやすい表現
志望理由を書くときは、以下のような表現が使いやすいです。
自分の希望を伝える表現
- 初期研修では、○○を重視したいと考えています。
- 将来は○○な医師を目指しています。
- どの診療科に進んでも必要となる○○を身につけたいと考えています。
- 幅広い症例を経験し、基本的な診療能力を高めたいと考えています。
病院の特徴につなげる表現
- 貴院では○○を経験できる点に魅力を感じました。
- 貴院の○○な研修環境が、自分の目指す研修に合っていると感じました。
- 見学を通して、○○な点が印象に残りました。
- 研修医の先生方が○○されている姿が印象的でした。
成長につなげる表現
- 貴院で○○を学び、○○な医師を目指したいと考えています。
- 初期研修を通じて、○○を身につけたいと考えています。
- 多くの症例から学び、臨床現場で必要な力を養いたいと考えています。
志望理由を作るときのチェックリスト
志望理由を書いたら、以下を確認しましょう。
- その病院でなければならない理由がある
- 自分の将来像や研修で重視することが入っている
- 病院の特徴をただ並べるだけになっていない
- 病院見学で感じたことが入っている
- 他の病院にも使い回せる内容になっていない
- 面接で深掘りされても説明できる
- 履歴書と面接で内容が大きくズレていない
- 文章が長すぎず、読みやすい
このチェックリストに当てはめると、志望理由の弱い部分が見つかりやすくなります。
志望理由が思いつかないときの考え方
志望理由が思いつかないときは、いきなり文章にしようとしないことが大切です。
まずは、以下の質問に答えてみましょう。
- 初期研修で一番重視したいことは何か
- その病院を最初に気になった理由は何か
- 見学で印象に残った場面は何か
- 他の病院と比べて良いと思った点は何か
- 自分がその病院で働く姿を想像できたか
- 2年間続けられそうだと思った理由は何か
- その病院で身につけたい力は何か
この答えを整理すると、志望理由の材料になります。
志望理由は、最初からきれいな文章にする必要はありません。
まずは材料を出して、それをあとから文章に整えましょう。
まとめ:志望理由は病院説明ではなく、自分との接点を書く
良い志望理由とは、病院の特徴を並べることではありません。
大切なのは、自分の将来像や病院選びの軸と、その病院の特徴を結びつけることです。
「救急が強いから」
「症例数が多いから」
「教育体制が整っているから」
だけでは、他の病院にも言えてしまいます。
そこに、
- 自分は何を重視しているのか
- 病院見学で何を感じたのか
- その病院で何を学びたいのか
- 将来どんな医師になりたいのか
を加えることで、説得力のある志望理由になります。
まずは、志望病院ごとに
「自分が重視していること」
「その病院の特徴」
「見学で印象に残ったこと」
を3つずつ書き出してみましょう。
それだけでも、志望理由はかなり作りやすくなります。
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